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なくなります。また、人口問題は、環境問題と切っても切り離せない関係にあると私は確信しております。また、人口と水資源、特に水資源の量と質という問題は人口との関連の上で大きな問題になると思われます。
ここで人口がやはり重要な役割を果たすことになります。人口を考える場合、その質に注目する必要があります。国会議員の皆様、水資源と環境の問題を考えるためには、必然的に人口の規模の問題とバランスを欠いた消費パターンの問題を取り上げなければ、本当の意味で水資源や環境問題を論じることはできないと思います。人口はその規模・増加率のいずれの側面においても環境問題に深く関わっていると言えましよう。
人口と開発に関する国会議員活動は、アジアで芽生えました。アジアの地域は、この活動において多大な成果を上げ、それをアジア以外の活動にも展開してこられました。先生方が人口を単に「数」として取り上げられるのではなく、人口に関連する問題を系統立てて取り上げ、議論されてきたことを嬉しく思っております。
ここにご参加の皆様は「人口と開発に関するアジア議員フォーラム」の活動の場だけではなく、各国で人口の問題がいかに「食料、水、環境」の問題と密接な関係があり相互依存的なものであるかについて、お話になられてきたと思います。
この2日間、水資源と地球環境、農業開発、安全な飲料水、そしてそれが、その国の健康、環境衛生にどのような影響を与えるかという非常に重要なテーマについて包括的な議論が行われました。21世紀を考えますと、アジアの政策立案者はこれらの問題を考えないわけにはいかないでしょう。従いまして、今回の会議は、非常に生産的かっ有益な討論であったと思います。この成果を、単にここだけで終わらせるのではなく各国に持ち帰っていただき、地域レベルで、国レベルでこういった問題を取り上げていただきたいと思います。そうすることで、初めて水資源の管理を改善することができるでしょう。またそうすることで、人口についてもその規模、人口増加率について十分に検討することができるようになると思います。
このように重要な意義を持つ本会議のご成功をお祝い申し上げると同時に、将来の活動について1つ提案をさせていただきたいと存じます。
これまで、アジアの国会議員の先生とAFPPDは様々な偉業を成し遂げられました。この成果を踏まえ、そろそろ新しい局面に足を踏み入れられてはいかがでしょうか。すなわち、各国の国会議員のグループごとにそれぞれの国にとって最も問題となっている人口ならびにそれに関連する問題点を明らかにし、その問題に対する戦略的対策策定に着手されたらいかがかと思います。この活動をAPDAやAFPPDにフィードバックされ、それらの問題に対して系統的に取り組み、それがすぐに、そして、直接的に各国の問題の改善につながるようにされてはいかがでしょうか。
すなわち、自国の問題を明らかにして、このことを担当された各国議員が、アジア

 

 

 

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